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古民家で過ごした1ヶ月。亀岡・宮川で見つけた人間らしい暮らしのかたち

salondekoh

「田舎暮らしって、憧れるなあ」

そんな気持ちから、京都・亀岡市宮前町宮川にある古民家「桑山邸」で、1ヶ月間のお試し移住をしてきました。今日は、その1ヶ月間で見た景色、感じたこと、そして体と心に起きた変化を、綴っていきたいと思います。

一歩踏み入れた瞬間、息をのんだ

宮川に到着して、まず目を奪われたのは、山々の美しさでした。盆地ならではの、澄んだ水と空気。都会では感じたことのない、透明な清々しさに、すぐに心を掴まれました。

この土地には、深い歴史もありました。宮川神社は、上賀茂神社・下鴨神社の祭神の母にあたる伊賀古夜姫命(いかこやひめのみこと)を祀る神社。かつては質の高い砥石が採れ、職人たちで賑わっていた歴史もあると知りました。桑山邸をはじめ、何世代にもわたって大切に手入れされ、受け継がれてきた家々や街並みからは、この土地を愛する人々の歴史の重みが伝わってきました。

半国山のトレッキングにも参加させてもらいました。かつて修行僧が歩いたという山道、金輪寺の立派な金剛力士像、天狗岩の岩肌。検索しても出てこないような、地元の方だからこそ案内してもらえる場所ばかりで、心から感動した体験でした。

「食」の豊かさに、毎日驚かされた

水が良いからこそ、お米が飛び切り美味しい。近所の無人販売所で買う野菜も、地域の方から「食べなさい」といただく野菜も、どれもみずみずしくて、ここでしか味わえない贅沢でした。「地産地消」「身土不二」という言葉の本当の意味を、体で理解した気がします。

人の温もりが、街をつくっていた

この1ヶ月で、何より心に残っているのは、地域の皆様の温かさです。

朝、ゴミを出しに行くだけで、ちょっとした会話が生まれる。どなたと話しても、「この宮川という街が好きで、その良さを知ってほしい」という気持ちが伝わってきました。

急な来客で食事の準備に困っていたとき、近所の小町カフェの道子さんが、希望を丁寧に聞いてテイクアウトの料理を作ってくれたこと。ご近所のおばあちゃまが、朝のラジオ体操に誘ってくれたり、「寂しくないか」「眠れているか」と気にかけてくれたこと。盆踊りの話、お野菜のお裾分け。数えきれないほどの小さな親切に、何度も救われた1ヶ月でした。

それでも、自然との共存は、想像以上に過酷だった

一方で、正直に書きたいことがあります。真夏の7月という時期も重なり、自然と向き合う日々は、都会暮らしに慣れきった私にとって、想像を超える過酷さでもありました。

風通しの良い古民家だからこそ、蚊やハエ、時にはゴキブリが日常的に家の中に入ってきます。畳の上で仕事をしていると、原因不明のアレルギー反応で痒みが出ることもありました。外では、大きなヘビや、見たこともないサイズの蜘蛛にも遭遇しました。

夜になると、あたりは漆黒の闇に包まれます。フクロウの声、鹿の気配、虫の羽音。冷房も、湿気を含んだ夏の暑さにはあまり効かず、窓を開ければ虫が入ってくる。脳が常に「警戒モード」になってしまい、1ヶ月を通して、深く安心して眠ることができませんでした。

夜、お酒を飲みに出かけることもありませんでした。真っ暗な夜道を、酔って帰るのは危険だったからです。自然と、ジャンクな時間からも遠ざかっていきました。

体と心に、変化が起きていた

眠れない日々が続いたことで、自律神経の機能低下を、はっきりと感じるようになりました。些細なことでイライラしたり、涙が出たり、不安が強くなったり。頭がうまく働かない感覚、現実感が薄れる感覚もありました。

食生活も変わりました。野菜は本当に美味しかったのですが、お肉を買うには車で20〜30分。買い物や調理をする気力が湧かないこともあり、今思えば、鉄分が不足していたのかもしれません。

東京に戻ってきてから、泥のように眠りました。頭を使う仕事のあとは、そのまま眠ってしまう。電車に乗れば、すぐに寝落ちしてしまう。今もまだ、体が回復している途中なのかもしれません。

「整う」ということの、本当の意味

東京に戻り、睡眠が整ったとき、初めて気づいたことがあります。

「整う」とは、冷静に判断できること。焦りがない状態を、無意識のうちにつくれていること。それは、亀岡での1ヶ月がなければ、味わえなかった気づきでした。

お金のいらない、暮らし

亀岡にいる間、お金という存在は、ほとんどありませんでした。自然と暮らし、人と助け合う。それだけで、生きていくことができました。

スーパーにも、外食にも、ほとんど頼らない生活。水は、湧き水をそのまま飲んでいました。東京に戻り、ペットボトルの水を買っている自分がいます。お金があれば何でも揃う便利さと、お金がなくても成り立つ暮らしの豊かさ。その両方を、この1ヶ月で、体で知りました。

何事も、バランスが大事だと知った

この経験を通して、一番強く思ったこと。それは、「何事もバランスが大事」ということでした。

「いただきます」という言葉には、食材となった命への感謝と、その食事に関わった人たちへの感謝が込められています。この生活の中で、その言葉の重みを、改めて感じました。

しっかり眠れる環境を、自分でつくること。都会の便利さを、自分でコントロールすること。歩かなくても、運転しなくても移動できる便利さに感謝しながらも、意識して体を動かす時間をつくること。

自然には、強い力があります。人間らしく生きるには、田舎の暮らしが最適なのかもしれません。でも、便利で安全な環境に慣れてしまうと、その自然の力が、時に過酷に感じられてしまう。だからこそ、自分に合った生活の輪郭を整えたうえで、自然を適度に取り入れていくこと。それもまた、バランスなのだと思います。

京都には、いろんな顔があった

今回、都市部の京都だけでなく、野菜の美味しい豊かな亀岡、京都のてっぺんと呼ばれる伊根町など、いくつもの「京都」を見せてもらいました。「京都」という言葉には、都市部のイメージが一人歩きしている部分がありますが、実際には、いろんな顔があり、そこに住む人にも、それぞれの人生と個性があるのだと知りました。

1ヶ月を終えて

決して楽な1ヶ月ではありませんでした。でも、この経験がなければ気づけなかったことが、たくさんあります。

自然と共に生きること。人と助け合って生きること。便利さの中にある豊かさと、不便さの中にある豊かさ。そのどちらもを知ったからこそ、これから自分がどう生きていきたいか、少しずつ輪郭が見えてきた気がします。

改めて、この機会をくださった、かめおか里山ネットワークの皆様、そして宮川の皆様に、心から感謝しています。


入江トモ 

フェザータッチ小顔メソッド創始者・VIPサロン構築プロデューサー

SALON DE KOH広尾麻布 代表

美容と健やかさの探求のかたわら、暮らしや自然との向き合い方についても発信しています。

ABOUT ME
入江トモ
入江トモ
入江 VIPサロン構築プロデューサー / フェザータッチ小顔メソッド主宰
頑張らないほど、小顔は作れる。 VIPに愛され続ける「小顔美顔」の専門家 16歳で美容界入り、トップモデルや海外VIPを含む延べ1万人に施術を提供 自身が「単価6000円・労働地獄」で疲弊した経験から、持続可能な働き方を探求 脳科学や東洋医学を融合し、力を使わない『フェザータッチ小顔メソッド』を確立 仏『VOGUE』絶賛の技術で、単価を引き上げリピート率90%の完全紹介制サロンへ成長 現在は高級車のVIPイベント等でも超一流の施術と接遇を担当 ミッションは「疲弊するセラピストを、VIPに指名されるサロンオーナーへ導く」こと 趣味は歌うこと、乗馬。東京・白金在住
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